2024年度 全労生ユニオン・カレッジを受講して:自らの視座を引き上げる機会に(NTT労働組合北海道総支部組織部長・大西克博)

 講義内容は多岐にわたり、生産性運動や労働組合の役割といった普遍的なテーマから、会社の財務諸表等のデータに基づいた論理的な分析と戦略への活かし方、他産別の動向や実際の取り組み事例など、幅広い知識と視点を学びながら、単なる知識の習得ではなく自らの視座を引き上げる機会になったと実感しています。

 特に印象深かったのは、日本産業に求められているGX戦略です。政府が推進するSDGsの流れの中で、企業もカーボンニュートラルに向けたCO2削減に取り組みつつ、省エネ補助金という別な思惑も絡んでいることを学び、環境問題と経済活動が密接に結びついていることをあらためて実感しました。単に流行や一過性のものではなく、社会構造そのものが変わっていく中で、組合としてもこうした動きに関心を持ち、どう対応していくべきかを考える必要があると強く感じました。

 また、普段の自組織の活動では関わる機会が少ない他産別の方々と交流できたことも、大変貴重な経験でした。異なる業種・業態であっても、組合活動の中で直面する課題や悩みには共通する部分も多く、意見交換を通じて視野が広がったことは大きな収穫です。

 今回の受講で得た学びや刺激を、学んだことだけで終わらせず、行動に移すことで初めて本当の意味での「学び」になると考えています。これからも社会の変化や企業の動きを敏感に捉えながら、労働組合の意義や役割を問い続け、より良い組織づくりに貢献していくとともにこの学びの輪をさらに広げ、次の世代へと繋いでいけるよう尽力していきます。

 改めましてこのような機会を与えていただきました全労生・日本生産性本部の皆様、また講義に関わっていただいた講師の皆様と一緒に受講された皆様大変ありがとうございました。

(「ネットワーク全労生」生産性新聞2025年8月25日号掲載)

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