私たちJEC連合は、正式名称を日本化学エネルギー産業労働組合連合会としているように、石油や化学関連産業を中心とした産別として、204組合・約12万2千人の組合員で活動を行っています。産別組織の中には石油・化学・セメント・医薬化粧品・塗料・一般の6つの業種別部会を設置し、それぞれの部会で産業に応じた取り組みを日々展開しています。また一般部会には、一般産業労働者として、例えばビルメンテナンス業や自動車教習所などさまざまな産業で働く仲間を組織しながら、幅広く運動を展開しています。
組織で最も多いのは「化学産業」ですが、化学と一口に言っても実態はさまざまであり、例えば私たちが普段使っているプラスチック製品一つとっても、①原油を採掘し、②石油精製工場に運び、③原油からナフサと呼ばれる製品を精製し、④ナフサからエチレンやベンゼンなどの基礎化学品を製造し、⑤基礎化学品の分子を繋げる「重合」という工程を経てプラスチックの原料になり、⑥プラスチック原料を各種製品の形に成形する、という工程をそれぞれの現場で経た上で製造されています。またそれぞれの工程そのものだけでなく、その工程を支える物流や化学プラントの建設・保守の現場でも日々私たちの仲間が活躍しています。
労働環境としても、連続操業・化学反応の制御・危険物や有害物の取り扱い・暑熱環境など、化学産業ならではの危険要因も存在していることから、産別として安全衛生活動にも力を入れています。それに加えてCO2を多く排出している産業でもあり、GXへの対応といった課題にも直面しながら、安全でサスティナブルな産業を目指し、それぞれの業界団体とも連携し産業政策活動も行っています。
労働運動については、構成する組織の多くが中小規模の労働組合であることから、中小労組支援や地域での活動の充実に向けて、産別として日々議論しながら加盟単組とともに取り組みを行っています。 JEC連合では今後もさまざまな課題に向き合いながら、持続可能性と包摂を基本とし、連帯と実行力ですべての働く仲間の立場に立った運動を引き続き展開していきます。
(「ネットワーク全労生」生産性新聞2025年7月25日号掲載)