産別紹介⑧ 電力総連:労働災害撲滅に向け各級機関と連携を図る(電力総連 組織局長・城倉一晃)

 全国電力関連産業労働組合総連合(電力総連)は、10の地域別組織と2つの職域組織で構成されており、発電、電気設備の工事・保守のほか、交通、情報通信、サービスなど多彩な業種にまたがる全国をネットワークする組織で、日本の電力関連産業における唯一の産業別労働組合です。

 1981年の結成以来、単一産別化、全電力統一を果たし、2024年11月末現在、12構成総連、構成組合239組合、組織人員19万5千名の組織となっています。職場を原点とした活動を大切にし、働く仲間の連帯の輪を強めながら、雇用の安定はもとより、働く者の安全衛生の確保や総合的な労働条件の向上、社会貢献活動、さらには国際活動などに積極的に取り組んでいます。

 特に、安全衛生の取り組みを一丁目一番地とし、労働災害撲滅に向け、安全衛生委員会や労使協議の充実につながる方針を掲げ各級機関と連携をはかるとともに、労働災害統計や災害発生傾向の分析を行い、類似災害の未然防止に努めています。しかしながら、電力関連産業特有の「感電」「墜落・転落」をはじめとする労働災害が高止まりし、その多くは、労働組合の無い協力会社で発生している状況にあります。現在は職場組合員の安全意識向上の取り組みに加え、未組織の働く仲間の災害を防ぐ観点からも、組織化に向けた取り組みの強化をはかっています。

 また、電力関連産業を取り巻く情勢が大きく変化し、事業環境が一層厳しさを増す中においても、働く仲間の雇用の安定や「現場力」の維持・強化を通じて、健全で持続可能な産業の発展が図られるよう、各構成総連・加盟組合と連携のもと、産別大の課題解決に向け取り組んでいます。具体的には、慢性的な電力の供給力不足や電力コストの高騰など電力関連産業が直面する事態に対して、働く者の立場から現実的なエネルギー政策の構築に向け関係方面に対する意見提起を行っております。加えて、深刻化する人手不足へ対応すべく、適正な価格転嫁や適正工期の確保など、電力関連産業の魅力向上に資する取引環境の適正化の取り組みを進めています。

 引き続き、「仲間を守る」「仲間を増やす」「仲間と共に闘う」を念頭に運動を展開していきます。

(「ネットワーク全労生」生産性新聞2025年2月25日号掲載)

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