産別紹介⑤ 基幹労連:2年サイクル運動のもと 好循環の実現をめざして(基幹労連 中央執行委員・鈴木 優)

ご安全に。

 日本基幹産業労働組合連合会(略称:基幹労連)は、日本の主要な基幹産業のうち、鉄鋼、造船、非鉄金属、建設、航空・宇宙、産業機械、製錬、金属加工、情報・物流のほか、多くの「ものづくり」に関連した業種で働く仲間が結集した産業別労働組合です。

 鉄鋼労連・造船重機労連・非鉄連合の3産別が、組織力と政策力の発揮をめざし「未来を拓く組織統一、希望ある前進」をスローガンに掲げ、2003年9月9日に基幹労連を結成しました。

 その後、2014年9月に建設連合が加わりました。また、全国42都道府県に県本部・県センターを配置し、2024年9月現在では363加盟組合・753構成組織、約26万7千人の仲間が集う組織となりました。

 基幹労連では、生産性運動三原則のもと「魅力ある労働条件づくり」と「産業・企業の競争力強化」の「内なる好循環」と働く者すべての処遇改善によって個人消費を活性化させ日本経済へ波及させる「外なる好循環」の二つの好循環をまわすという考え方をもとに取り組みを推進しています。

 また、労働組合が取り組むべき課題・問題の領域は拡大しています。産業・企業の維持・発展に向けた雇用の維持や労働条件の向上、産業政策・政策制度の取り組みの強化だけではなく、組合員ニーズの多様化にともなう職場生活における日常的な課題の解決などへの一層の注力も求められています。

 そうした課題解決の方法として、基幹労連では、2年間をひとつのパッケージとして捉えた「2年サイクル」を運動のベースに、毎年の「アクティブプラン(略称:AP)」によって継続的な賃金改善や格差改善などを行い、着実な成果につなげてきました。

 この2年サイクル運動は、労働条件の改善のみにとどまらず、産業政策や政策・制度、安全衛生活動、組織活動、教育広報活動、経営対策などにも適用しており、運動エネルギーの選択と集中によって、限られた活動時間、人員・労力・財源を有効に活用し、好循環の実現をめざすものです。

 私たちを取り巻く環境が目まぐるしく変化し、取り組むべき領域が多岐にわたるなかではありますが、安全最優先を運動の基盤に、ものづくり産業が日本の屋台骨として経済を支え続けるためにも、「揺るがぬ好循環」「2年サイクル運動」を堅持し、組織一丸となって各種活動を展開していきます。

(「ネットワーク全労生」生産性新聞2024年10月25日号掲載)

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