身近な全労生に(全労生 事務局長・桑原敬行)

 本年5月8日より新型コロナウィルスの感染症法上の位置づけが、これまでの「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。いよいよアフターコロナの中での生活が始まることとなりました。

 コロナ禍は我々の活動に大きな影響を与えましたが、現在の日本は大きく三つの対応を迫られていると思っています。一つ目は、元々日本にあった構造的課題である人口減少(少子高齢化)の進行や社会保障問題などです。もう何年も前から将来に関わる重要課題として認識されていますが、効果的な政策が打てていません。二つ目はデジタル化やカーボンニュートラルなど世界規模での社会経済の変革への対応です。そして三つ目がコロナ禍とウクライナ情勢という直近での世界的な不確実性への対応です。このように、日本においては構造的・中長期・短期の三つに対応する必要がありますが、全てに的確な手が打てている状況にはなっていません。

 このような情勢の中、全労生の活動を推進するにあたっての着目点を3点としました。1点目はDXやGXなどトランスフォーメションと言われている社会経済の変革。2点目は非正規雇用労働など多様な働き方に対する労働組合の対応。そして3点目が23春闘では大きな前進があったものの、公正な分配の観点も含めた中小企業への対応です。大きくこの3点に着目し、生産性運動三原則の根幹とも言える「労使協議」を多角的視点からフォローする活動を進めていきたいと考えています。具体的には、「経営との交渉に役立つ情報の提供」や他産別との情報・意見交換の場を設定して「気づきの提供」などに努めていきます。

 また、産別の皆さんや地方労生の皆さんとの対話活動を広げていきます。コロナ禍で対面活動を回避してきましたが、いよいよアフターコロナの時代に移りますので、皆さんのもとを訪問させていただき、直接お話を伺って活動に反映していきたいと思っています。皆さんに身近に感じてもらえる全労生としていきます。

(「ネットワーク全労生」生産性新聞2023年6月5日号掲載)

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