2020年以降、新型コロナ禍が世界中の社会・経済、そして労働者に多大かつ深刻な影響を与えてきました。ワクチン接種などを経て昨年秋には日本の感染者数は低位な状況が続きましたが、年末年始以降はオミクロン株の流入もあって、再び感染者数が急増しています。オミクロン株は感染力が強いものの重症化しにくい特徴もあるとの事、政府・行政には医療現場のひっ迫を避けつつ、経済と感染対策の両立を上手くかじ取りして頂きたいものだと思います。
こうした状況下で、本年の連合の春季生活闘争方針に基づく労使交渉がこれから本格化します。まだまだ新型コロナ禍の影響が強く残り、交渉環境として厳しい産業・業種もありますが、コロナ後の社会を見据え、私たちは「人への投資」の重要性について労使の認識共有と積極的な賃金・処遇改善を進めていく必要があります。
この20数年間、少子高齢化が進み、労働者の社会保障負担は3割程度増加しました。一方賃金はここ数年の賃上げで改善はしたものの、依然当時の賃金水準を回復できていません。これでは消費が伸びるはずもなく、安定的な物価上昇が実現できるはずもありません。規模の大小を問わず、全ての企業が技術革新を通して生産性を向上させ、その成果を労働者にしっかり配分していくことが、持続可能な日本社会の形成に必要不可欠です。このことを、社会的な共通認識とし、その実現に政労使がそれぞれの役割を果たしていかねばなりません。
昨年全労生では、労使協議の実態について企業と労働組合にアンケート調査を行いました。技術革新を進めるにあたっては、職場実態を踏まえた労使協議の充実が重要となります。労使協議を更に活性化させ、本年2022年が「未来づくり」の着実な一歩となるよう、全労生参加の皆さんとともに活動を進めて参ります。本年も全労生の活動にご理解・ご協力をよろしくお願いします。
(「ネットワーク全労生」生産性新聞2022年1月25日号掲載)